三田肉とは
三田肉豆知識
いのちの「食」訪問
 「週刊新潮」連載コラムより



1/7

 緑滴る山々、谷を吹き渡る風、豊かな水― 兵庫県北部・但馬地方で生産される「但馬牛」は世界一の牛肉″と賞賛される。700年もの昔から家族同然に育まれてきた但馬牛は、日本各地の銘柄牛の素となり、神戸ビーフという別称でも世界に愛されている。そんな但馬の仔牛を「一頭飼い」で慈しむように育てる三田市の牛飼い名人・仲義之さんを訪ねた。

 「牛を上手に育てるコツはなあ、ストレスや嫌な心持ちを味わわせないこと」―全国各地の品評会で勝ちとったトロフィーの数々と、賞状に囲まれて仲義之さんはこう笑う。木枠の牛舎には「一頭一頭の血統書の横に花が飾られ、炎暑の夏には扇風機で風が送られる。飲み水はミネラル豊富な井戸水だ。牛の巨体にブラシをかけてやると、日を細めた牝牛は仲さんに身を預けんばかりだ。「趣味と実益ですわ」。こういいながら仲さんが、牛舎に入ると、牛たちが首を伸ばしてペろペろと仲さんの足を舐め始めた。

>続きを読む



週刊新潮  平成14年8月29日号


塩田丸男の いのちの「食」訪問 Vol.114

© 新潮社


当サイトに掲載しております文章・画像の無断転載はお断り致します。
© 三田肉流通振興協議会